水木作品文庫化ラッシュ

◆フジ系列で夜九時からかかっていた、「ベストハウス123」という番組。テレビ欄にある「恐怖妖怪」って一体何だろう、と思っていたのだが、「水木しげるの選ぶ恐ろしい妖怪」とか何とか、そういうコーナーのことだったらしい(しまった見逃した)。水木しげる作品といえば、最近文庫オチがはげしくて、今月は角川文庫に三冊(一冊は映画のノベライズ版、だとしたら所謂「文庫オリジナル」かな)、中公文庫にも一冊が加わった。特に角川は、村上健司(あるいは佐々木卓)をして「子供向けでありながら、随所に当時(平成二〜五年頃―引用者)の世相や政治的背景を風刺したネタが散りばめられており、大人が読んでも十分に面白い内容に仕上げられている」(水木しげる監修『ゲゲゲの鬼太郎謎全史』JTB,p.13)と言わしめた『鬼太郎国盗り物語』も文庫化してくれたので、非常にありがたい。ただ、同じく今月文庫オチした『水木サンの幸福論』の背をみると「み18-51」となっていて、この通し番号は「み18-15」の誤りではなかろうか、と思った。
◆と書いたのだが、そのノベライズ版とやらは、「み18-50」なのであった。すると、私が誤っていたのかもしれない。しかし、なぜ『鬼太郎国盗り物語1』が「み18-13」なのに、『幸福論』は「み18-51」なのだろうか。角川に限らないことだが、文庫の整理番号というのは分からない。特に、新装版や改版が出る度に、よく分からないことになってしまう。ここでは角川文庫に話題を限定するが、たとえば松本清張作品も、改版されたり黒背の限定コレクションが出たりして、全く同じ作品であるにも関わらず(カバーを外すと区別がつかなかったりする)番号が違うということはざらにある。横溝正史作品にしてもそうだ。白背(これは珍しいみたい)→黒背→黒背その2(金田一耕助ファイル)→黒+x背→薄紫背と進んで(ちょっと不正確かも)、現在はたしか再び黒+x背(前のデザインとは少し違うが)になっている。その背色の変更とともにシリーズ作品の組替えが起っていて(ということはつまり番号の再編成も行われていて)、それだけのためにコレクションをしている人もあるくらいだ。