◆上天気なので、「四天王寺 べんてんさん 大古本祭」へ行く。会場でOさんの姿をお見かけしたような気がしたのだが、やはり来られていたらしい。徳富蘇峰『読書法 読書九十年』(講談社学術文庫)350円、入江相政『余丁町停留所』(中公文庫)300円をまず買う。これで、入江相政の中公文庫がようやく全部揃った。坂下昇・水上峰雄・高田正純編著『アメリカの雑誌を読むための辞書』(新潮選書)300円、加藤康司『続・赤えんぴつ』(虎書房)500円の二冊は、口笛文庫コーナーで。休憩を挟み、百均本(三百円本も)をビニル袋に「ツメホーダイ」。五百円。これこそが古本市の醍醐味だ。という訣で、どんどん詰め込む。特に新書が中心となったが、ダブりも幾つか(状態がよいので買ってしまう)。主なものを挙げると、都筑道夫『悪魔はあくまで悪魔である』(角川文庫)、都筑道夫『猫の舌に釘をうて』(講談社文庫)、久保勉譯・安倍能成編『ケーベル博士隨筆集』(岩波文庫)、山本市朗『北京三十五年―中国革命の中の日本人技師―(上)(下)』(岩波新書)、富塚清『動力物語』(岩波新書)、北杜夫『マンボウ雑学記』(岩波新書)、貝塚茂樹『中国古代再発見』(岩波新書)、下村健一『裸人漫語(正)(續)』(太洋海運株式会社)、平井昌夫『語い指導―その原理と方法―』(明治図書)、田中久直『語い習得のための練習法』(明治図書)、井川観象『名前のつけ方ABC』(東栄堂)、『岩波講座日本語12 日本語の系統と歴史』(岩波書店)など。全部で二十七冊。単純計算すると一冊あたり18.5円、ということになる。
一枚刷の本居宣長『てにをは紐鏡(全)』(原本:明和八年刊)は、明治十七年に小林米造によって翻刻されたものらしいが、もとにしているのはやはり再版? こちらは2000円。鉛筆で二箇所に、「1000」「2000」と書かれていたので(しかも、「2000」は「200」のようにも見えた)、店員にこわごわ訊いてみると、2000円だという。ちょっとがっかりしたが、全集本所収のようなものでなく、一枚刷で見られるというので、思い切って買うことにした。また田中正治郎編『明治會玉編大全(完)』(風月庄左衛門、明治三十八年刊)500円も購う。巻末に「千字文略解」あり。
◆この夏(七月二十五日〜二十九日)、ジュンク堂大阪本店で「第一回 新刊書と古書のコラボレーション」(特集・本に発見 大阪のおもろいとこ!)が開催されるというのを知る。「夕陽と夜景と古本と 大阪ベイエリア・ブックバザール」という企画も知る(ようやく)。第三回が六月下旬、第四回が八月下旬ですか……。
◆テレビ東京系の『カンブリア宮殿』を見た。「ジュンク堂」特集。三ノ宮店も、大阪本店も映った。工藤恭孝社長と、田口久美子さんとがゲストだった。伊藤仁斎『童子問』(岩波文庫)に直ちに行き着いた田口さんの博識およびリサーチ能力はもちろん凄いのだけれども、うら若き女性が『童子問』を捜し求めていた理由がひどく気になった。