2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四月某日 朝、岡本喜八『独立愚連隊西へ』(1960,東宝)を観た。軍旗の争奪に汲々とする軍人たちのおかしさを、畳みかけるようなストーリー展開でこれでもかとばかりに見せつけられる。加山雄三を主演に据えた結果なのか、佐藤允のアクの強さがあまりいかさ…

最近の収穫

秦豊吉『わが粋筆』(美和書院)350円。「小序」に、ペンネーム「丸木砂土」の由来について書いてある。秦といえば、徳川夢声『いろは交友録』(ネット武蔵野)に収められているし、池内紀『二列目の人生―隠れた異才たち』(集英社文庫←晶文社)にも登場する…

重箱の隅―漢字の話題

言葉を歩く―漢字・日本語・固有名詞作者: 坂田卓雄出版社/メーカー: 海鳥社発売日: 2010/04メディア: 単行本 クリック: 41回この商品を含むブログ (2件) を見る p.13に、いきなり「群馬県の八ツ葉ダム」という誤記がある(しかも何度も)。「ツ」も小書きで…

昨年は「ダーウィン・イヤー」であった。すなわちチャールズ・ダーウィンの生誕二百年にあたり、また、『種の起源』出版百五十年にあたる年でもあった。 このことに関しては、たとえば三中信宏『分類思考の世界―なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』(講談…

わたしはビールの泡である。

「読売新聞」(4月4日付)の「読書情報」に、このほど文庫化された高村薫の『レディ・ジョーカー』(全三巻、新潮文庫)が写真つきで紹介されていて、「大きな書名が3巻にまたがる装丁(『永遠の仔』などの多田和博)は平積みの台でも一際目をひく。2巻物…

今野えんすけ(1914-82)。その名の漢字表記が、「圓輔」であるべきか「圓助」であるべきか、未だによくわからない*1。教養文庫(少なくとも手許の四冊)は「圓輔」だが、論文データベースでは「円助」ないし「圓助」も出て来る。但し、同じ論文でも、「圓輔…