きのう、高見順賞(第三十五回)が、相沢啓三「マンゴー幻想」(書肆山田)と、建畠晢「零度の犬」(同)の二作品に決まったのだそうです。今年は、高見順没後四十年に当る年です。そのためなのか、『今ひとたびの』が河出文庫で登場しました。
偶然にも、最近読んだ長尾三郎さんの『週刊誌血風録』*1講談社文庫。今出ている『週刊文春』の合併号で、坪内祐三さんが取上げています)にも高見順が登場しましたし(特に彼の「死」について)、今日買った、石原慎太郎さんの『わが人生の時の人々』(文春文庫)にも彼が登場します。特に後者には、林房雄(五高出身!)と高見順が他愛もない喧嘩(これがおもしろい)をしていて、それが川端康成の鶴の一声で決着した―というエピソードが書かれています。

*1:昨年の、12月29日の条で取上げました。