カッコイイ田村高廣

『眠狂四郎 女地獄』（1968，大映）

監督：田中徳三，原作：柴田錬三郎，撮影：森田富士郎
シリーズ第十作で、『殺法帖』以来（ちなみに第一作のこの作品は、市川雷蔵自身、出来の悪い作品であったと述懐しています）、久々に田中徳三が監督として復帰しました。
シリーズ中では珍しい、雪上の殺陣シーンがあります。題名はあまり気にくわないのですが、『無頼剣』の愛染（天知茂）に全くひけをとらない、成瀬辰馬（田村高廣）という、狂四郎のライバルが登場します（彼がまた格好良いのです）。狂四郎は、この辰馬と一度だけ刀を交えるのですが、彼にまったくスキを見出せません。
また、野々宮甚内（伊藤雄之助）という浪人も登場します。伊藤に、役がぴたりとハマッていることに驚かされます。