良質のスパイ映画を観た

陸軍中野学校』(1966,大映

監督:増村保造、撮影:小林節

陸軍中野学校 雲一号指令』(1966,大映

監督:森一生、撮影:今井ひろし、音楽:斎藤一郎

陸軍中野学校 竜三号指令』(1967,大映

監督:田中徳三、撮影:牧浦地志
良質のスパイ映画です。いちばんおもしろく観たのは、第二作の『雲一号指令』。増村の演出が冴える第一作も、もちろん面白いのですが、さらにサスペンスフルな第二作のほうが内容は充実しているのではないか。
第三作では、椎名次郎(市川雷蔵)の盟友・杉本明(仲村隆)が凄絶な最期を遂げ、「和平工作」も失敗に終ります。日本が戦争への道をつき進むしかなかった状況を描いているためか、ラストもやや暗いです。
三作品とも、市川雷蔵が良いことは言うまでもありませんが、加東大介(草薙中佐)が非常に良いです。加東さんは、私の好きな俳優のひとりです。