学者のユーモア

まずは、中村明『日本語案内』(ちくま新書,2000)の「あとがき」から。

序章で、日本語とその奥にいる日本人の姿を遠望したあと、Ⅱ章で発音、Ⅲ章で文字、Ⅳ章で語彙、そしてⅤ章で文法をとりあげた。当初はこのほか、意味、敬語、表現、言語変化を略述し、日本語の四季を散策しながら粋に花道をさがるつもりでいたのだが、いい気になっているうちに紙数が尽きた。そういういわば応用編は先送りにし、基本編のみで現代日本語のスケッチと点描=日本語学入門を兼ねる一冊とする。(p.221)

次に、中村明『日本語のコツ ことばのセンスをみがく』(中公新書,2002)の「あとがき」から。

ちなみに、出版社が違うため、『日本語案内』と基礎編・応用編の関係になることはあえて書かないでおく。それが両出版社に対するせめてもの礼儀というものだろう。著者がおくびにも出さなくても、両書が姉妹編であることは、おのずから文面ににじみでるもののようである。(p.235)

このハイレベルなユーモアセンスが、あなたには分りますか?