「いやいや、幸福じゃなくったって……、幸福だの不幸だのなんて、一体なんの役に立つんです。どうでもいいじゃありませんか。要するに、ますます純粋に、豊富に存続しつづけるということが問題。そうじゃないですか」(アルピイエ=園長)

安部公房『デンドロカカリヤ』(1949)より。