第二日目

二日目も岡山県
朝、奥津温泉を出て、後楽園へ。その後、倉敷美観地区に向かう。大原美術館には立寄れませんでしたが、甲骨文展が開催されていたらしい。某先生がのちに教えて下さいました。
先輩や同輩と、本通りの商店街を抜けて「浜吉ままかり亭」へ。煮魚定食を食す。特に、酢の物のままかりが美味。その後、彼らと別れてひとりで本通り商店街へ。商店街を抜けてさらにどんどん進む。
表の通りの橋や建造物からは、なんとなく〈人工美〉の美といった印象をうけて、やはりそこは賑わっているのですが、ちょいと横道に入ってずんずん進んでいくと、まるで時間がとまったかのような感じのする場所に出ます。「○○畳店」だの「××理容室」など白壁の商家が軒をつらねており、ときおり、家を解体する音が響いてくるほかは、寂として声なし。さらに行くと、やはりあった、『蟲文庫』。暖簾をくぐり抜けると、店主がいない。しばらく文庫棚に目を走らせていると女性店主が奥から出てくる。ミステリアスな雰囲気の女性店主。店内には、かつて私の家の近くにあった雑貨屋兼書店を想起させるような、ゆるい空気が流れている。
ミュージック・マガジン』がかなり揃っており、古い『宝島』だの『ビックリハウス』だのが数冊置いてあった。築島裕先生の『国語学』も、なぜかあった。
アセチレンランプを思わせるような光のもとで、棚に収められた書物の背をじっくりと眺める楽しみ。ああもっと時間があればなと思う。しばらくすると、女子高生と思しき可愛らしい二人づれの女性が入ってきて、何やらおしゃべりをしている。聞き耳を立てると、誰々の何々がいい、という文学談義だったので驚く(稲垣足穂の話も出てきた)。
さて蟲文庫では、以下の五冊を購いました。
・相原林司ほか『日本語・専門語の誤記・誤用』(有斐閣新書)250円
尾辻克彦『カメラが欲しい』(新潮文庫)300円
入江相政『オーロラ紀行』(中公文庫)200円
村松梢風『女経』(中公文庫)250円
向井敏『傑作の条件』(文春文庫)250円
野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)で知った古書肆「おもちゃばこ」や「長山書店」は、探したけれど見つからない*1。集合時刻も迫ってきているので、断念して倉敷川方面へ向かう。Kさん、Tさんと合流し、休憩所にちょっと立寄ってから集合場所へ。
夜は、「鞆の浦」(広島県)のホテルに宿泊。午後八時半ころ、先輩がたに誘われ、船に乗って仙酔島まで行く。島の展望台に登る。
蟲文庫のホームページはこちら。店主のブログもあります)

*1:あとで教えていただいたのですが、「おもちゃばこ」はすでに無くなっており、「長山書店」は移転していたとの由。