さよなら、古畑任三郎

今日も朝から論文を書く。章立てを変え、一章増やしたこともあって、当初の予定よりも一万二千字ほど増えてしまった。
士気が昂揚して来ることもあれば、いいかげんウンザリすることもあり(文字面だけを追っていたりする)、その「バイオリズム」をむしろ愉しみながら書いています。
明々後日あたりに、製本出来れば良いのだけれど。
古畑任三郎 FINAL」、やはり観てしまった。いちファンとして、これだけはせめて観ておきたかったのだ。
「ラスト・ダンス」の回では、小石川ちなみ(中森明菜)の後日譚(古畑の発言中では「アトランタ在住」でなく、「アメリカ在住」となってはいたが)がちらと出てきた。ファンとして嬉しかったのだが、古畑が「ずいぶん昔の話になりますが…」と前置きして、過去形で語っていたところをみると、あのプラトニック・ラヴ(『古畑任三郎の研究』同文書院,pp.48-51参照)はいつしか終ってしまっていたと考えられる(古畑が加賀美京子に好意をもたなければ、ドラマ監修の依頼など引き受けたりはしなかっただろう*1)。
最終回に相応しく、「動機の鑑定」(澤村藤十郎)や「赤か、青か」(木村拓哉)でのエピソードが古畑や今泉慎太郎の口から語られていたし、「さよなら、DJ」(桃井かおり)の再現シーンもあった(そもそも劇中で流れる越路吹雪の「ラストダンスは私に」は、「さよなら、DJ」の回で古畑自身が歌っていた筈だ)。
オールスター・キャストで、その顔ぶれも壮観だった。松金よね子近藤芳正小日向文世(ブルガリ三四郎…)など、これまで「古畑任三郎」に何度か登場した役者たちがどんどん現れた。
これから始まるであろう、「加賀美京子」との新しい関係を予感させながら、古畑任三郎は去っていった。
さよならだ。本当にさよならだ。

*1:金田一耕助と早苗の関係を思わせるものがある。