曲の名は

晴れ。
予行演習後、新歓コンパ。
何故だか分らんが、自己紹介で、「本が好きです」とは言いにくい。
「クラシックが好きです」というのも、ちょっと言いにくい(妙な誤解を招いたことがあるし)。
最近、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第八番 ハ短調「悲愴」の第二楽章をアレンジした歌が出たらしくて、やや気になっているのだが、題名も歌い手(若い女性)も分らない。ビリー・ジョエルの「This Night」のカバーでもなさそうだった。売れているのだろうか。
「悲愴」の第二楽章を、はじめて意識的に聴いたのは、宮川彬良の編曲版(「愛の軌跡」かな)によってだった。七、八年ほど前のことである。
それから、映画『鬼火』―といってもこれはルイ・マルの Le Feu Follet ではなくて望月六郎の作品なのだが―を観て、好きになった。この映画では、むしろメンデルスゾーンの「ベニスの舟歌」Op.19-6(30-6 ではない)なんかのほうが目立った使われ方をしているのだけれども、やや唐突な感じのする「悲愴」も、なかなかどうして、悪くはない。
齋藤毅『明治のことば―文明開化と日本語』(講談社学術文庫)を読む。