古本祭りで数十冊

晴れ。
朝、沼田曜一の訃音を知る。享年八十一という。
さて、今日はよく眠れたし、用事も特になかったので、四天王寺の古本祭へ行くことにした。午過ぎに家を出る。四天王寺に着いたのは午後一時四十分。
まずは百均を漁る。そこで、大江玄圃口授『詩礎國字解』(京都書林、安永六年原板/文化十四年再板。初版は「平安書林」から出たらしい)、『月刊 言語』(1981.6)、『国語シリーズ別冊4 日本語と日本語教育―文字・表現編―』(国立国語研究所)、『國語と國文學』(1980.10)、『國語と國文學』(1968.2「時枝誠記博士追悼号」)、獅子文六ほか『ユーモア小説集1』(鱒書房軽文学新書)、『洋装語全集』(『婦人畫報』第360號 別册附録)を購う。『EQMM』(日本版)も沢山出ていたが、今回は見送った。
その他に買ったもの。田河水泡のらくろ漫画集(1)(2)』(講談社少年倶楽部文庫)1000円、山田孝雄平田篤胤』(寶文館)700円、渡辺紳一郎『古典語典』(東峰書房)800円。この『古典語典』というのは、後に旺文社文庫に入った(『東洋語源物語』と改題)が、原著の索引が「ローマ字引き」になっているのには驚いた。なお、『古典語典』という語呂のよい言葉は、飯沢匡が考案したものなのだとか(「あとがき」による)。
閉店間際、一冊百円の『言語生活』筑摩書房刊)が二百冊ほどまとまって出ている店を見つけたので、そこであれこれ漁っていると、ひとりのおじさん(年恰好は五十四、五といったところ)がやって来て、傍から『言語生活』をどんどん抜き始めたので、こちらも負けじと抜く。まるで競い合っているかのような感じだった。
おじさん(どこぞの先生だったかも知れない)は十三冊、私は二十一冊抜いて終了。店員には何も言わなかったのだが、百円まけてくれた。有難い。
それにしても、『言語生活』が「ミステリー」を特集していたことはやや意外だった(石井正彦先生が、常盤新平黒井千次らと対談されていたことには驚いた)。