論争をよむ

また雑誌を頂いてきた。
そのなかに、岩波書店の『文学 第三十八巻第七号』(1970.7)と『文学 第三十八巻第九号』(1970.9)もある。前者は、「チェーホフ」の特集号なのですっかり見落していたのだが、藤堂明保氏による白川静『漢字―生い立ちとその背景―』評が載っていたのだった。
この書評の存在は以前から知ってはいたが、実際に読むのは初めてのことである。そして後者のほう、すなわち『文学 第三十八巻第九号』には、白川氏による反論「文字学の方法」が掲載されている。この反論は、『文字逍遥』(平凡社ライブラリー)に収められた(pp.299-346)。ただし各論や末尾にすこしく相違がある様だ。
また、益田勝実氏と梅原猛氏の論争*1が載った『文学』も見つけたので、こちらも頂いて来た。

*1:『水底の歌』をめぐってのもの。但し益田氏は、論争をはじめるつもりはサラサラないと述べておられる。