台北旅行(1)

晴。今日から家族旅行の日。
当初はこの一週間、父の休暇を利用して、家族で帰省する予定だったのだが、父の定年退職祝いと妹の就職祝いとを兼ねて、台湾の台北へ家族旅行をすることになったのである。家族旅行は、十五年前の北海道旅行以来だ。しかも、妹以外(父母とわたし)は、初めての海外体験である。
午後二時半ころ家を出る。一路関西国際空港へ。台北行きの飛行機が発つまでにだいぶ間があったので、ロビーで、半分読んでいた村松秀『論文捏造』(中公新書ラクレ)を読了。
午後七時四十五分、関西を発つ。飛行機は気流のせいかかなり揺れ、あまり快適とは言えなかったが、機内食は不味くなかった。家から持って来た、獅子文六『コーヒーと恋愛(可否道)』(角川文庫)を読む。午後十時ちかくになって(現地時間。約一時間の時差がある)、台北に到着したが、気圧差にやられたせいか、顎の奥や耳の奥がすこし痛む(すぐに治ったのだが)。
入国審査は厳しかったが、手荷物の引渡しがかなりいいかげんで、カルチュア・ショックをうける。ZXさんというガイドさんに連れられてバスに乗り込む。
車窓から眺める雨の台北市内はコンビニ(特にセブンイレブン、福多客=ニコマート、全家商店=ファミリーマート)や銀行多し。「台北市内には、コンビニが百メートルにひとつは必ずある」、という某さんの説明は大袈裟ではなかった。同様に銀行も多いのだ。たとえば、A銀行があって、大通りを挟んでB銀行が斜向かいにある、などというような光景はぜんぜん珍しくない。
それ以上に驚いたのが、夜も更けているのに、街にたいへんな活気があって賑わっているということ。二十四時間マッサージだの、夜市(朝の五時ころまでやっているらしい)だのがあって、まさに「不夜城」と形容するにふさわしい。
Xホテルに到着したのは午後十一時五十分ころで、大いに疲れ、おまけにドアの開閉に四苦八苦(鍵の使い方が分らん)。しかし中へはいってみると、設備はなかなかに豪華で、浴室にもテレビがあったりする(但し台湾では生水が飲めないので、部屋には有料と無料のミネラルウォーターが置いてある)。
午前二時過ぎになってようやく就寝。