『日本語の歴史』が…。

某古書肆の棚には、平凡社の『日本語の歴史』(七巻と別巻一巻の全八巻)がずっと置かれてあるのだが(八千円)、まったく売れるけはいがない。
私は第二巻の「文字とのめぐりあい」が特に欲しくて、分売してくれないものだろうか、と思っていたのだが、古書市でも見かけたことがなかった。それがついに、ついに、平凡社ライブラリーに入ってしまった。きょう生協書籍部の店頭で、その第一巻『日本語の歴史1 民族のことばの誕生』を見つけてしまい、悩んだ末に買ってしまった(解説は鈴木広光氏)。
それにしても、今月の平凡社ライブラリーはまた素晴らしい。佐藤忠男溝口健二の世界』に青柳いづみこ『青柳瑞穂の生涯―真贋のあわいに』(解説は堀江敏幸)、なのである。溜め息が出る。『青柳瑞穂の生涯』が単行本で出たのは、立読みした記憶があるので(上林暁などの五高人脈や駒井哲郎、澁澤龍彦にふれたくだりだけ)、そんなに昔の話ではないと思うが、いつのまにか品切になっていたみたいだ。
このところまたしても散財気味だ。新刊では、野村敏夫『国語政策の戦後史』(大修館書店)や中岡哲郎『日本近代技術の形成―〈伝統〉と〈近代〉のダイナミクス―』(朝日選書)を買ったし、古本では、清水義範『世界衣裳盛衰史(よのなかはきぬぎぬのうつろい)』(角川文庫)や清水義範シナプスの入江』(福武文庫)など、清水義範の文庫をまとめて購入した。
そうそう、遠山啓『文化としての数学』(光文社文庫)もやはり買った。だって私、心は熊本人なんだもの。