今年最後に読む本。今回は高島俊男先生が、藤堂・白川論争について書いている。
 高島先生の「勉強しまっせ」(『お言葉ですが…(7) 漢字語源の筋ちがい』文春文庫2006)に、藤堂先生の授業のようすが書かれていて、それにつづけて、「漢字の話をするのに、この字はこういうさまをかいた絵だ、だからこういう意味だ、と字(図柄)と意味だけを説く人があるが、あれはいけない。ことばは、人が口から発する、意味をもった音である。のちにそれを視覚化したのが文字である。文字は第二次のものだ。だから、かんじんの音を閑却したのではことばの説明にならない」(p.213)、とある。

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 蔵書整理の一環で、データ作成をぼちぼちやっている。「漢字雑学本コーナー」には、同じような書名の本がズラリ。

  • 一海知義『知っているようで知らない漢字』講談社+α文庫、1995(講談社1991)
  • 一校舎漢字研究会編『読めるようで読めない漢字2500』永岡書店、2007
  • 一校舎漢字研究会編『読めるようで読めない超難読漢字2000』永岡書店、2007
  • 加納喜光『読めそうで読めない漢字2000』講談社+α文庫、1994
  • 加納喜光『知ってるようで知らない日本語辞典』講談社文庫、1998
  • 高城二郎『正しいようで正しくない漢字の読み方・使い方』三笠書房知的生きかた文庫、1995
  • 日本語知恵の輪会[編]『知っているようで知らない漢字の秘密』ワニ文庫、1997
  • 日本語を考える会編『読めそうで読めない不思議な漢字』角川文庫、2006
  • 村石利夫『知っていそうで知らない漢字1000』にちぶん文庫、1997

 タイトルと編著者名が、ただちに結びつかない。
 三笠書房の「知的生きかた文庫」は、漢字雑学本の宝庫であった。ほかにも、

  • 相原林司『漢字力を高める本』知的生きかた文庫、1990(三修社1984
  • 川村二郎『通勤電車でモノにする四字熟語』知的生きかた文庫、2000
  • 土屋道雄『漢字の常識が身につく本』知的生きかた文庫、1989(芳文社1981)
  • 迮岡昭夫『漢字に自信がつく本』知的生きかた文庫、1993(実業之日本社1981)
  • 日本のことば研究会『電車で楽しむ漢字の雑学なんでも事典』知的生きかた文庫、2001
  • 樋口清之監修『漢字に強くなる大事典』知的生きかた文庫、1995
  • 水野靖夫『「漢字の力」の鍛えかた』知的生きかた文庫、1997
  • 村石利夫『漢字に必ず強くなる本』知的生きかた文庫、1988
  • 村松暎監修『漢字の「読み」にとことん強くなる!』知的生きかた文庫、1998
  • 友人社編『「漢字」おもしろ雑学』知的生きかた文庫、1990(ダイヤモンド社1986)

等が見当る。