『草燃える』放送中

 「大河ドラマ」は時々しか見てこなかった。時間があればもっと見てみたいのだが、少しでも時間があれば、映画をみてしまう。
 七年前の『武蔵』(主題曲:エンニオ・モリコーネ)は一見つくりが贅沢で、初回から見たので仕方なしに最後まで見たのだが、初回放送直後から『七人の侍』の盗用があると指摘されたり*1、展開もパッとしなかったりで、それ以後大河ドラマはほとんど見なくなっていた。『風林火山』『篤姫』『天地人』などは、数話ずつ見た程度にすぎない。だが、この一月に始まった『龍馬伝』は、今のところかかさず見ている。
 さて、一時は「幻」とまで言われた『草燃える』の全話放送が始まっている(時代劇専門チャンネル)。ありがたい話で、出来ればクライマックスくらいは見ておきたいのだが、時期が時期であるだけに、まだ一話もみられない(録画も出来ていない)。今日は第七話。
 その全話が揃った経緯について、ここから一部引用しておくと、

 テープを内々に探していたNHKに対し、元スタッフが家で録画していた12話分のテープを07年に寄贈。出演した子役の母親からも2話分が寄せられ、計14話が昨年4月から時代劇専門チャンネルで放送された。
 その放送の予告を受けて、東京都内の50歳代の女性から「4話分のテープを持っている」と連絡があった。元ディレクターも自身が演出をした18話分の録画を提供。さらに札幌市の男性から段ボール1箱分のテープが寄せられ、全話がそろった。

ということなのだそうだ。
 この作品は、小谷野トン『大河ドラマ入門』(光文社新書)ではあまり触れられていないが、その主題曲について「これは変だなあと思った」(p.140)と書かれており、そもそも題名やタイトルバックが「ひたすら明る」くて、内容にふさわしくない、とある。しかし、そんなことを言われたら、余計に気になってきます。

大河ドラマ入門 (光文社新書)

大河ドラマ入門 (光文社新書)

 さらに、中島丈博『シナリオ無頼―祭りは終わらない』(中公新書)がタイミングよく刊行された。著者の中島氏は、『草燃える』の脚本担当*2で、この本には『草燃える』第二十三回のあるシーンが某団体の反撥を招いたということも書いている(pp.194-96)が、「この件以外には、トラブルと言えるようなものはほとんどなく、大原誠ディレクターたちとの相性も悪くなく、『草燃える』は私が四本執筆した大河ドラマの中では一番幸せな作品であった」(p.197)、ともある。
シナリオ無頼―祭りは終わらない (中公新書)

シナリオ無頼―祭りは終わらない (中公新書)

*1:週刊新潮」で読んだのだったか。

*2:大河ドラマとしては、ほかに『春の波濤』『炎立つ』『元禄繚乱』の脚本も書いている。