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巻頭グラビアをちらと見ただけですぐに購入をきめた。本文の特集をよく見てみると、なぜか、茂木健一郎氏まで寄稿している。
もうすこしボリュームのある特集かとおもったが、そうでもなかった。「週刊新潮」(2月24日創刊55周年記念特大号)に載っている、白井佳夫氏のやや挑発的な(?)記事「新潮45が発掘した「原節子」15歳の幻のフィルム」(「幻の」というのはちょっと大袈裟か)も、実はなかなか読み応えがあったりする*1。
また松井樹氏の記事に、斎藤充功*2氏が原節子の家に上がりこんでカレーを食べてきた、という話が出てくる(p.80)が、そんな猛者がいたとは知らなかった。
……と書いたが、斎藤氏はかつてこの出来事を記事にしていた。「文藝春秋」(2007年2月号)所収の「『永遠の処女』原節子」(pp.176-80)というのがそれだ。一度は読んだはずなのだが、ざっと目を通しただけだったせいか、まったく覚えていなかった。
ところが今回の記事と、斎藤氏が原節子に初めて会った時期があわないのである。「文藝春秋」には、「私が彼女に初めて会ったのは、今から十八年前のこと。某月刊誌から『原節子のインタビューを』と依頼され、鎌倉の家を訪ねたのである」(p.177)とあるが、「新潮45」の談話では、「昭和五四年頃だったか、今はなき月刊宝石の仕事で行ったんですが」(p.80)となっている。前者に従うならば、平成元年ということになって、十年のずれがある。「文藝春秋」の記事には、「とても六十八歳には見えなかった、と言っては嘘になるが、さりとて老人と呼ぶにはいささか早すぎるというのが、正直な感想であった」(p.178)ともあるから、平成元年のほうが正しいのではないかとおもわれる。
彼女が演じた役―原節子の戦後主演作を見て考える (中公文庫)
- 作者: 片岡義男
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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*1:「新潮45」p.96に編集部が白井氏の談話を引用しているが、その詳細も書かれている。
*2:陸軍中野学校関連の新書などを書いたノンフィクションライター。「新潮45」にしては珍しく(?)「斉藤充功」という誤記になっている。なお、斎藤氏の最近書かれたルポでは、『怖い事件―血塗られた「恐怖の記録」』(ミリオン出版)に収められた「下山事件」を結構面白く読んだ(このシリーズのムックの記事は玉石混淆なのだけれど)。ところで、朝倉喬司氏の記事「九十九里海岸“連続焼死”事件」は遺稿か?(と書いたが、『活劇 日本共産党』という本が毎日新聞社から最近出ていて、こちらが遺稿にあたるらしい。しかも未完とか。2.26追記,岡本太郎生誕百年記念の日に記す)