「本」の愉しみかた

喜国雅彦『本棚探偵の冒険』(双葉文庫

本棚探偵の冒険 (双葉文庫)
2005.1.20第一刷。この前、ネット上で喜国氏の本棚が公開されていたので拝見しました。壮観でした。
いっぽう我が家の本棚はというと、中身の統一感が全くとれていません。たとえば文庫棚には、二段(あるいは三段)になっている一角があり、縦向きで突っこんでいるかと思えば、横向きに突っ込んでいるところもあります。それで残念なのが、個々のタイトルが見えにくくなってしまっているということ。嗚呼、いつか喜国氏のような本棚を作ってみたい。――閑話休題
昨年末、単行本の『本棚探偵の回想』(双葉社)をさきに読んだので、順序は逆になってしまったのですが、今日、「冒険」篇を文庫版で読了しました。
「回想」篇もこの「冒険」篇も、おもしろく読むことができました。ミステリのよい読み手でない私にとっても、たいへん面白い。なぜなら、喜国氏はモノとしての本がもつ色々の愉しみ方を知っているから。知っている、というかそれを見つけるのが上手いのです(不器用な私からすると、およそ想像もつかないことばかりです)。それに何より、ユーモアもまじえた「読ませる」文章を書きます。ですから、ぐいぐい読めます。
本書はまた、特別座談会も収録しており、石井春生さん、日下三蔵さん、彩古さん、よしだまさしさんなど、個性豊かな「つわもの」たちが登場します(写真もあり)。座談会のなかで、未読王さんや「幻想文学館」の土田さんの名前も出てきます。