合衆国

雨。
午後から大学。
時子山常三郎『早稲田生活半世紀』(早稲田大学印刷所)を拾い読みしていたら、「『早稲田政治経済学雑誌』創刊のいきさつ」という文章があった(pp.30-32)。
この『早稲田政治経済学雑誌』に、増田富寿「誤訳と誤解」なる論考が掲載されたことがある(第二百二十・二百二十一合併号,昭和四十五年)のを、つい最近知った。それは、斎藤毅『明治のことば―文明開化と日本語』(講談社学術文庫)の「第三章 合衆国と合州国*1」によってである。斎藤氏は、増田氏の文章について、「わたしのまったく気づかなかった論考」と書いているが、仕方のないことであろう。
ちなみに増田氏は、「合衆国」の語源について、(1)「合せられた衆国(諸国,states)」の意、(2)「合衆部国(衆部=states を合した国)」の意、という二つの説を考案したらしい。はじめ増田氏は(1)説を唱えていたが、新説として(2)説を提示したという。しかし、結局は(1)説も捨てがたいという地点に落着いたようだ。
「合衆国」の語源については他にも書きたいことが色々あるが、またの機会に、ということにしておく。
夜、芳賀矢一杉谷代水編『作文講話及び文範』(講談社学術文庫)を読み、鹿野政直岩波新書の歴史 付・総目録1938〜2006』(岩波新書)をすこし読んだ。

*1:たとえば、本多勝一が意図的に「合州国」と書くのは有名である。