「本の本」を二冊

唐沢俊一『カラサワ堂変書目録』(光文社知恵の森文庫)

カラサワ堂変書目録 (知恵の森文庫)
2004.12.15初版一刷。画は、ソルボンヌK子。「怪書目録」の姉妹篇で、またまた変な本ばかりとりあげています。横田順彌さんの『古書ワンダーランド』(平凡社。これもいずれ、二巻まとめて取上げる予定です)にも似て、古い本ばかり取上げているのにもかかわらず、あたらしい発見がたくさんあります。
ところで、p.131-136にとりあげられている、藤井純道『性愛研鑽法と人生の幸福』(日本コバルト協会,1949)という本は、唐沢氏が「爆笑問題のススメ」に出演したさいにも紹介していたものです(内容というよりは、その本の体裁について語っておられました。くわしくは本書参照のこと)。
また、p.26-32には、柳家金語楼が登場します。落語家としての金語楼の活躍ぶりを私が知る由もありませんが、『おトラさん』だの『ウッカリ夫人とチャッカリ夫人』だの、シリーズものの映画にも多数出演しているので、私にとっての金語楼とは、ひとりの「喜劇俳優」です。
わけても印象にのこっているのは、南洋一郎まぼろし船』(東光社,1948)でしょうか。というのは小学校のころ、南訳の「怪盗ルパン」シリーズをたくさん読んだからです(わが家には、五冊ほどあります。ちなみに、もっとハマっていたのが、ポプラ社の「少年探偵団」シリーズ。いまでも、わが家に四十六巻揃えて置いてあります)。

永江朗『恥ずかしい読書』(ポプラ社

恥ずかしい読書
2004.12.1第一刷。永江氏の本を読むのは、『不良のための読書術』(ちくま文庫)、『批評の事情』(原書房、すでにちくま文庫に入っている)につづいて三冊目。この三冊のうちでは、もっともおもしろく読みました。とくに、第十七回「本に密着する」がおもしろかった。共感できるところ多し。「歯磨き読書」(p.16)や「付箋読書」(p.40)には賛成。
また、「電車読書はサルトルへの道」(p.175)と著者はいいますが、なぜか私は電車や寝床のなかでの読書がいちばん捗ります。幸い、視力はよいほうなので、老眼になるまえに、少しでも多くの「電車読書」を楽しみたい。そう思っています。