最後の文字講話

京都へ行ってきました。
白川静先生最後の文字講話。足かけ七年になる講話*1も、今日で最終回です。
会場で、図版資料のほかに、『風の旅人』13号を頂く。巻頭の白川先生のエッセイ、日高敏隆さんの「環世界」、保坂和志さんの「“想像力”の危機」、川本三郎さんの「裏通りのにぎわい」あたりを読む。
前々回は、学生会員だからということで一般と同じ扱いを受け*2、悔しい思いをしたので、今回の文字講話の参加費はいつもよりも多く*3支払って、なんとか前列で聴講することが出来たのでした。
今日は、おもに西周期の暦の算出法について話をされました。そして、「西周の文化は歴史的に美化されるほどの内的条件を備えたものであった」という話から、「現在に生きるということは、歴史の美化に耐えることだ」という話になりました。さらに白川先生は、戦前や戦中期の思い出話をされました。最後だということもあったのでしょう、いつも以上に話に熱がこもり、たいへん充実した講話になったと思います。
講話終了後、会場で『漢字の世界2』(平凡社ライブラリー)を買おうと思ったのですが、すでに売切れでした。せっかく京都まで来たので、帰途、加茂川そばの丸万書店に寄り、
富田常雄姿三四郎(三冊揃)』(新潮文庫)200円
を購う。黒澤明の『姿三四郎(正・続)』は観たことがあるのだけれど*4、原作や本宮ひろ志の漫画は未読で、あるときよしだまさしさんの文章を読んでから、いつか原作くらいは読んでおきたいなあ…と思っていました。それがこんなに手ごろな値段で入手できるとは。
一昨日、「君は○○を見たか」について書きましたが、今日のNHKアーカイブスで再放送される番組が、「きみはヒロシマを見たか」。1982年の番組だそうです。

*1:私は、大学受験があったので、二年目から参加しています。

*2:三階席へ移動させられた。正会員費を納めているというのに!

*3:ふつうは三千円なのですが、学生会員は二千円。千円の差で悔しい思いをしたわけです。

*4:岡本喜八版(1977)は未見。