シナリオを三冊

天気が良い。昼過ぎに大学へ。今年度最初の授業である。
授業後、某先生から、邦画の台本(ガリ版刷り)を三冊いただく。たいへん嬉しい。清水宏『桃の花の咲く下で』(1951)並木鏡太郎『魚河岸帝國』(1952)など。いずれも新東宝の作品だが未見。特に『桃の花の咲く下で』は、表紙や扉がなかなかしゃれている。『魚河岸帝國』の「登場人物」欄には、一部の役名の下に鉛筆で俳優名(というか姓のみ。一人だけフルネーム)が記されている。たとえば、「御前崎弘(21)」の下には「片山」。これは片山明彦のこと。「権田原普門(42)」の下には「千秋」。千秋実である。そして「今川義行(30)」の下には「伊藤」とあり、誰だか見当がつかないので調べてみたら、伊藤雄之助*1であった。なるほど。伊藤の風貌をおもいうかべながら台本を読むと、おもしろいかもしれない。ちなみに主人公「塚本良介」は、田崎潤が演じているらしい。ああ、こんなことを書いていたら、映画を観たくなってくるではないか。
研究室できのう届いた本を読むと、これがずいぶんはかどった。この調子なら、進み具合のはかばかしくない『唐代長安方言考』を読んでも良かったかな。
午後六時すぎに大学を出る。日の長くなったことを実感する。桜が綺麗だ。
帰途、O書店に立寄る。きょうはなぜか客が多い。ひやかす積りだったのだが、西田龍雄西夏文字』(紀伊國屋新書,1967)を購う。
またK書店にも立寄って、新刊をあれこれ手にとってみる。千円分の図書券*2で、猪野健治『日本の右翼』(ちくま文庫を購った。そうだ、『物情騒然。』も出ていたのだった。これは今度買うことにしよう。

*1:このブログにも、何度か登場している。

*2:アンケートに答えて入手。五百円券があと三枚、つまり千五百円ぶん残っている。一枚くらい、残しておこうかな。